束芋展/デジグラフィ展
原美術館の束芋さんの展示を見に行った。束芋さんといえば、いまかなり旬な作家さん。かなり期待していったんだけど、やはり期待というのは大きすぎるといけない。もっと何も考えずに行くべきだった。
それでも「日本の台所」と、あと公衆便所の作品は秀逸だったなぁ。でもその秀逸さっていうのにも、レベルがある。たとえばジェームズ・タレルの作品を見て「秀逸だ!」というのと、友達の卒業制作作品を見て「秀逸だ!」というのは、全然違う。その意味では束芋さんの作品は後者の秀逸さだったと思う。
そうなってくると原美術館でひとり展覧会を開催するのは、少々早すぎたような気もする。大掛かりなインスタ以外の平面展示、コンテの展示などは特に見るべきものではなかったと思うし、会場を埋められなかったから、とりあえず何でもかんでも展示してみました、という印象すら受けた。そういう意味で物足りなさを感じてしまった。
つづいて、東京都写真美術館のデジグラフィ展に行った。ここでは最初のキャプションに「デジタルとアナログの二項対立でないデジグラフィをお楽しみください」と書いてあったが、実際の展示物はその二項対立を強く認識してしまうものばかりで、少々残念だった。(けど森村泰昌の作品は素晴らしかった!)だいたい「デジタルとアナログの二項対立でないデジグラフィ」ってのは、一体何なんだ。そこが最後までよく分からなかった。そういうことはICCのほうが上手くやってる気がした。
ついでに、会場隅に設置されていた「文化庁メディア芸術祭」の過去受賞作をだいたい見た。どれも面白そう、実際に展示に行って体験すればよかった、と思った。