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2006.5.17 日常日記

モチベーション

モチベーションってのは難しい問題です。起きている間中、モチベーションが上がりっぱなしだったら、良くも悪くもすごいことになると思う。でも人間がそれに耐えられないんじゃないのか、耐えられるとしたらフィジカル的にもメンタル的にも、よほど強靭でないといけないだろう。

先日すごくあせって、8時間くらいモチベーションが上がりっぱなしだった。それでイラスト2作品をあしたにでも入稿できる形にまで持って行って、あとは3枚目作ったら終り!というところまで進んだ。モチベーションが長くて2時間くらいしか続かない僕には珍しいことだった。ところがそれで安心したのか、昨日からモチベーションが下がりっぱなしである。いつもこうなんだよな、だから、モチベーションのことは難しい問題だと思う。

もちろん理想論で言えば、モチベーションが上がりっぱなしでなくても、少なくとも上がっている”ふり”をして、できるだけ多くの時間、制作作業に充てるのが良いに決まっている。それが日本における外見的な”勤勉なる態度”であることには異論はないだろうし。でも集中力が万全でない状態で制作なんかしてどうするんだろうという気持ちが、一方ではある。

モチベーションの問題は昔からあった。僕はたぶん精神的に弱いのだ。毎日毎日デッサンをやっていたときに、「なんでこんなもの描いてるんだろう」などと雑念が増えてきて、思うように描くことができなかった。いっそ山奥に行って滝にでも打たれたほうがいいんじゃないかと思ったこともある。そのときデッサンってのは6〜7時間のうちできるだけ多くの時間、集中できた人が勝つんだなと感じた。実際、集中できたという実感のある作品てのは、おのずと評価も高くなったし。僕の中で試行錯誤をした結果、たとえば昼ごはん抜きで描く、1時間描いたら5分程度休憩して遠くから眺める、鉛筆を研ぐという作業をなるべくデッサン中にしない、などなど自分の中のルールを蓄積していくことで、だいたい安定して描くことができるようになった。

しかしこれが、「おもしろいものを発想し、作る。あるいは、作品の中に小ネタを連発する」という作業になった場合、同じルールを適用してうまくいくかというと、そうでもなかったりする。デッサンなんてのはある意味事務作業と同じだから、思考はクリエイティブでなくてもかまわない。しかし思考をクリエイティブな状態にして、それを保ち続けるというのは、たとえば昼ごはんを抜いて解決するような問題でもなかったりする。よくゲノムの須田さんが「煮詰まったから酒飲みます」とか「銭湯に行ってぼうっとしてたらアイデアが出てきた」とか言うけれど、クリエイティブ作業の場合は「押してダメなら引いてみろ」的な発想も重要だったりするわけで。その辺の駆け引きってのは、結論から言うと「自分を知る」ということに集約される気がする。つまり自分が最もアイデアが出たり、集中できるのはどんな環境か、常に自分に問う必要があるということだ。

しかし現段階でモチベーション下がりっぱなし第二日目を迎えた今、僕のクリエイティブワークにおけるモチベーション維持の作戦は失敗に終わっているとしか思えない。だいたい、こんなに長文の日記なんか書き始めてすでに30分くらい経とうとしているし…。