円高なのでCDを安く買えた。
円高のことが言われているが、輸出産業にとっては大打撃だろう。そういう人たちが日本の経済を支えているから、円高になると都合が悪い、というのは理解できる。とはいうものの、自分の国の通貨価値が相対的に高まることで、なんでこんなに悲観的な世論になっているのか、経済に詳しくない人間にとっては、なかなか分かりづらい。Twitterで聞いた意見で面白かったのは、「通貨価値=その国の経済価値」という図式が成り立っていないから、結局は為替というのは、単なる通貨と通貨の相対的な関係でしかないという話だった。
円高になると景気が悪くなる、と騒がれても、その根本的な原因は外国にある以上、嘆いてばかりいるのもなぁと思う。もう少し、この「円が高い」という状況を、有利に活用することはできないものだろうか。そういうアイデアを聞く機会がないがために、なんか世の中というのは希望もなく混沌としているなあ、と思ってしまうんじゃないか。まあ自分で考えればいいのか。
そういえば、毎月1万円程度を目安に、amazonで海外輸入版の音楽を買っているのだけれど、だいたいいつもは6枚くらいなのが、今月は数枚多く買えた。これは明らかに円高での小さなよろこびだ。今月買ったCDは当たりが多かった。
MGMTの「Congratulations」。前作の「Oracular Spectacular」を聞いて、すごく良いなあと思っていたけれど、この2枚目の作品は、より良かった。ウィキペディアでは、サイケデリック・ポップパンドと書いてあったけれども、確かにそういう感じ。子どものころラジオとかでかかっていた、古くさい感じをねじって、あら何だか新鮮という音楽。軽くて、安くて、古くて、でも、何の偏見も無くいろんな音楽を100%吸収して、それを全部ポップな音楽に変換させるところが面白いのかな。
Faustの「So Far」。1972年の作品。ここ一年は、こういう古い音楽ばかりを買いあさっている。なぜかというと、前の年代の作品で今も買えるものというのは、いろいろ無謀な実験や挑戦をしているなあと思える作品が多くて、それは今、僕が聞いても、とても刺激的に感じられるからだ。この作品も、細かく色んな実験めいたことが施されていて、とにかく秒刻みで「面白い」と感じさせられた。たぶんこれを作った人は、音楽以外のことに楽しみとかが見つけられないので、音楽制作を通して、感情を消化させたり、自分なりの娯楽性を見いだしたりすることに喜びを感じていたんじゃなかろうか。誰かに喜んでもらいたいとかという意思は感じられず、とりあえずは自分を観客にして、自分のために、聞いたことのない音楽を作ったという感じがした。
ほかは、明日以降。