ヤフー顧客情報流出について
日々サポセンをしながらお客様のクレームを耳にしている身としては、先日のヤフーBBの顧客情報漏えい事件は、個人的にとても他人事だとは思えなかった。特に、苦情電話が1900件というところが最も他人事でない。きっとヤフーはこれまで、「おたくの情報管理は大丈夫なの?」「ハイ、私どもは適切な方法で顧客情報を管理しておりますのでご安心ください」というお決まりのトークフローも用意していたことだろうけど、今後どう対応していくんだろう。
さて今回の事件では、約460万件の顧客情報流出と言うところで、そのずさんな管理体制が批判されている。サポートセンター要員が誰でも顧客情報を閲覧でき、保存ができる状態だったという。そうなるとおそらく、顧客情報の管理というのは、メンバーそれぞれの「道徳心」のみに頼っている状態だったということだろうか。おそらくその「道徳心」をずっと保つのはとても疲れることだろう。
こうした状況の一方で、サービス料金を過剰に安く安くすることが世間の要求になっていることは、なんだかとても可笑しく見える。例えば今流行りのADSLでは、熾烈な価格破壊競争に加えて、初回使用料無料、宅内訪問設定無料は、もはや定番となりつつある。こういう状態で、適切に情報を守るための余裕は、ひょっとしたら無いんじゃないのか。
お金は安く、情報管理はしっかりと、と求めるのは、とてもムシの良い話に聞こえる。「情報」を守るにはお金がかかる。安かろう悪かろうというのはある種の真実であって、顧客情報管理についての批判と、適切な情報管理に見合った対価を払おうとする発想は常にセットであるべきだと思う。