情報
結局、四月いっぱいで新聞を解約した。ニュースとは何だろう? すこし昔、情報網がそれほど発達していない時代には、世界のあらゆる最新情報を、少し遅れてでも紙で見る価値はあっただろう。今はその辺りはネットでカバーできる。でもまあ、そんな話は十何年も前から分かりきった話だ。でも現在の最大の知的欲求は、紙に印刷された情報を、ご飯を100回噛むように飲み込みたいというものだ。いつのまにか新聞はその欲求を満たすものから外れてしまった。
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新聞の批判のひとつに、新聞は情報の扱いが恣意的だというものがある。でも僕はそれが新聞の良いところだと捉えている。ネットではなんでも見えすぎる。それを全て見るには、世界は広すぎる。疲れてしまう。編集されていてほしい。編集されるとは、大雑把に言えば、情報を恣意的に整理することを指すだろう。
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そこで、適切に編集された情報を求める長い旅が始まる。究極的には自分が編集者になるのが良いのだろうけれど、それはとても大変なことだし、それができていたなら、情報のことであまり考える機会もなかったのではないかとも思う。