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2008.12.31 日常日記

いま2008年なのか2007年なのか分からん

大晦日ということで、今年を振り返りたいと思います。とは言うものの、もう今年の1月のことなんか忘れてる。年をとって月日が流れるのが早い早いとか言いながら、ほんの12ヶ月前のことはよく思い出せない。とにかく仕事ばかりの1年だった。

自営業なので、こうやって一年が終わりになる頃には、「今年も生きることができて良かった」と本気で思う。そして今も「来年は果たしてきちんと生きられるのだろうか」と思う。ゆったりとしたサバイバル感、しかし世の中は大不況だ。来年は本当のサバイバルになるんだろう。(その予兆はひしひしと実感している…)

今年が始まってから7月くらいまでは、ずっと月刊誌『KING』の連載をしていた。誰にも読まれなかったし誰からも反応は無かったけれども、全国で発売される雑誌の連載を担当できたことは経験として面白かった。そしてそれが単行本になった。これも全然売れていない。それでも、自分が携わっていたものが本になった。作ったものが、手に取れるものになるということ。実体としてそこに残っているということ。本という古くからあるメディア…郵送されて初めてページをめくったとき、その魅力をあらためて感じた。映像やWEBなどでは得られない感覚だった。

合間にほかの仕事も挟みつつ、9月からはBSフジの「ポンキッキ」の制作に携わった。ひさびさの映像制作に心が躍るが、テレビ局とのやりとり、プロのキャストとのコミュニケーション、そして予算のこと…正直、難しかった。

放映されたものを生でテレビで見たときには感動した。朝早く、家でひとりでテレビを眺めながら、誰が見ているのか分からないけれども、同じ時間に、誰かがきっとこれを見ているのだと思った。そういう人がいるのなら、次もちゃんと作ろう、作りたいんだと、素直に思えた。小さなコーナーだけれども。この感覚も得難いものだった。

雑誌で連載してからは、他の人のイラストをよく見るようになった。ポンキッキを作るようになってからは、テレビをよく見るようになった。漫然と見るのではなく、「これはどうやって作っているんだろう?」とか、考えながら見るようになった。以前もそういう風に見ていたけれども、もっと具体的に想像するようになった。世の中にはあらゆる創作物が溢れているけれども、そのように眺めると全ての創作物が一筋縄ではいかない色んなものを抱えているんだ、ということに気づくようになった。

先日、大学の同窓会があって、ある人から「ごろう君は、もうなんか創ったりしないの?」と言われた。僕なりには制作をして過ごした一年だったが、やっぱりそれらはすべて仕事であって、個人的制作というものは確かに何一つすることができなかった。でも仕事でも制作は制作なので、それをやっている間、ほかの何かに浮気もできないなあとも感じている。いま大学卒業から4年ほど経って、あれから色々経験して、いま自分のために何かを作ったら、当然だろうけれども4年前とはずいぶん違うだろうなあと思う。そのことの興味はある。しかし今は、目の前の映像制作、そして納品、さらには来年のロケ、まだ支払われていないギャランティなどのことで頭がいっぱいである。